居抜き物件の代表的なものはといえば、やはり、飲食店ということになるでしょう。 というのも、飲食店には厨房設備というものが不可欠で、これを一から設置するとなれば、かなりの設備投資をしなければならないことになります。

ところが、既にその厨房設備が付いている居抜き物件を購入すれば、その飲食店の食種の違いによって、多少の改造が必要になる場合があっても、ゼロからその設備を設けることに比べれば、格段にその設備投資費用を抑えることができるからです。

このために、飲食店であった店舗が売却に出される際には、よほど設備が老朽化していたり、長年の使用から来た不具合がひどくなってでもいない限り、厨房その他の付帯設備を撤去してしまわずに、居抜き物件としてそうした付帯設備付きで売りに出される、という場合が多いわけです。 もっとも、買い手によっては、そうした付帯設備が返って邪魔になるために、それらを撤去して新しく入れ替えてしまいたいという場合もあるようですが、そのような買い手は、居抜き物件ではなく、建物空間だけの物件を購入して、自前で新しく設備を設けるという方法を採るでしょう。 ただし、立地条件が悪かったり、建物自体が古かったりして、居抜き物件でもかなり安く手に入れることができる場合には、コスト計算をして、その付帯設備の撤去費用を加えても安く上がる、と見積れる場合には、それを購入してしまって、付帯設備を撤去してしまい、自前で新しく設備を設けて開店する、という場合もあるようです。

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